2月 28, 2005

スポ根でツンデレな妹「銀盤カレイドスコープ 4」

有名フィギュアスケーターを姉に持つ少女が、自分にとっての大切なものを見つける成長物語り。
「銀盤カレイドスコープvol.4 リトル・プログラム:Big sister but sister」著:海原零/絵:鈴平ひろ(スーパーダッシュ文庫 2月刊)

今一つ自分の演技に自信を持てない12歳の桜野ヨーコ。
競技会後の更衣室で、神尾来夢・12歳に嫌味を言われます。

コミカルで爽やかです。
疾走感のある演技のシーンが素晴らしいです。
ぜんぜんスケートなんて詳しくないのにドキドキします。
前作からは半年経った秋のお話です。

桜野ヨーコ、悩める小学6年生です。
苦労しているせいか、ませています。
いろいろとつたない感じも良かったです。

本編の主役である桜野タズサ、今回は脇役です。
語りはヨーコの一人称なので、タズサは妹から見た姉として描かれています。
多少変わり者でも、頼りになる優しい姉です。

他のレギュラーたちも、ヨーコ視点なので微妙に違う印象なのが面白かったです。

帰宅後の一連のエピソードは、おまけの短編といった風に分けてもらったほうが、余韻に浸りやすかった気がします。

シリーズは、続くみたいで楽しみです。

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2月 01, 2005

讃えられる代償「イコノクラスト! 2」

うかつな少年が、周りに煽られて巨大ロボットで戦う異世界スチームパンクです。
「イコノクラスト!(2)He acts heroism 英雄」著:榊一郎/絵:OKAMA(MF文庫J 1月刊)

ついに最初の一体を撃破した省吾。
秘密結社レネゲイドは、より大きな権勢をもとめて策謀を始めます。

やや鬱系です。
目隠しをして地雷原を歩く主人公を、ハラハラしながら眺める感じです。
あからさまではありませんが、グロテスクな設定があります。
懸命な少女たちが、ダークさを緩和しています。

主人公の省吾、異世界に跳ばされた普通の高校生です。
気付いてないだけで、すでにヤバイ事になってます。
まともそうなメリニが、なにげに一番壊れていそうで怖いです。

花梨あいかわらず頼りない従兄をかかえて苦労しています。
主人公に姫巫女の2・3人も篭絡する根性があれば楽なんでしょうが。
ゼブロンとペルテアの父娘は、多少力になってくれそうな感じもします。

レネゲイドの巨頭のみなさん、あいかわらず策謀に忙しそうです。
いくぶん憂鬱そうな省吾を見て、宇宙飛行士のガガーリンを思い出しました。

あとがきによると10巻程度を予定しているそうです。
崩壊は早く来そうな気がするのですが・・・。
花梨には頑張って生き残って欲しいものです。

リンク集: 榊一郎OKAMA

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1月 28, 2005

迷子の魂「ぴよぴよキングダム 2」

ヒヨコ型知的生命体のドタバタに巻き込まれた少年と少女のジュブナイルSFです。
「ぴよぴよキングダム 2 ときのしおり」著:木村航/絵:竹岡美穂(MF文庫J 1月刊)

『恋の儀式』に決着がついて半月、世界中の報道陣の見守るなか『聖婚の儀』が行われます。
あかりは、緊張している自分に苛立っています。

あかり中心です。
今回は、意地っ張りな彼女が、恋愛と自分に折り合いをつけるお話です。
世界もなにやら不穏です。
スピード感のある展開が楽しかったです。

磐座あかり、攻めの生き様の女子高生です。
守りにまわると弱々です。
芽生えた恋心で、暴走気味です。

あかり母親・点子(ともこ)、たくましさと弱さが渾然としていて素敵です。
森山拓、頼もしくなってきています。
ピックル、癒しのアイテムです。
前巻では本心を見せなかったチュルリラ姫の思いの一端が示されます。
ブランク、懲りてないようです。
市ヶ谷珠理、テンション高く掻き回します。

母と娘の微妙な関係が良かったです。
リリッチや、ピッチパッチの故郷の様子が興味深いです。
良い人な仁村優の出番は少なかったです。
前巻と違い、今回は場面ごとに視点が変わるライトノベルによくある構成でした。

今後のための伏線が色々と張られています。
ヒヨコも増えて、シリーズ化する感じです。

リンク集: 竹岡美穂

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1月 26, 2005

夏休みに正義の味方「渚のロブスター少女」

少し不器用な少女が、海で頑張るコミカル・レスキュー物語りです。
「渚のロブスター少女」著:あきさかあさひ/絵:MATSUDA98(ファミ通文庫 1月刊)

泳ぎをおぼえられないまま夏休みをむかえた中学2年生のみお。
兄にそそのかされ特殊装備で海難救助活動を始めます。

新人さんです。
地味です。
萌えバカ小説を想像していたので少し肩透かしに感じました。
海辺の町が舞台の、少女の心の成長物語りです。
ほのぼの爽やかで、思いのほか楽しめました。

主人公の海老原みお(深青)、カナヅチの女の子です。
イルカと泳ぐことを夢見て努力しています。
真っ直ぐさが眩しいです。

兄の真太郎、マッドな登場のわりに、普通にいいお兄さんです。
なにか物足りません。
ハジケてるのかシリアスなのか色付けが不安定で、印象がやや弱いです。

イルカのククーラ、可愛いです。
親切な水族館のお姉さん・新谷京子や、意外に鋭い友達の白沢亜由美もいい感じです。

あの黒幕を放ったらかしで終わっているのは、スッキリしませんでした。

優しく率直な雰囲気に、好感が持てました。
ククーラの活躍なども見てみたいです。

リンク集: あきさかあさひMATSUDA98

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1月 25, 2005

人間であらねば「君の居た昨日、僕の見る明日2」

優しい嘘の世界・鈴乃宮学園に転校生がやってきます。
「君の居た昨日、僕の見る明日2 ―FAKE HEART―」著:榊一郎/絵:狐印(富士見ファンタジア文庫 1月刊)

なにかと勘違いしている詩月たちにツッコミつつ登校する優樹。
奇妙な少女を見つけます。

小さな世界で、学校生活を送ろうと試行錯誤する少年と少女たちの物語りです。
基本的にはマッタリゆったりでセンチメンタルな雰囲気です。
今回は、少しだけアクションだったりスプラッタだったりしました。

主人公の優樹、学園でただ1人の男子生徒です。
唯一の常識人として頑張ってます。

紅葉と新キャラのネレイドが中心のお話です。
2人とも健気です。
ネレイド、なかなかシュールです。
紅葉の理由が明かされます。

詩月たち、あいかわらず賑やかでパワフルです。
四季少女たちも格好良く活躍してます。

いずれ訪れるであろう卒業は、まだまだ先のようです。
ドラゴンマガジン連載の短編版はまた違う話のようなので、文庫化されるのが楽しみです。

リンク集: 榊一郎 狐印

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1月 23, 2005

戦う看板娘「カエルと殿下と森の魔女」

妖魅の跋扈する闇の森のきわに建つ宿屋兼酒場・緑竜亭が舞台のコミカル・ファンタジーです。
「カエルと殿下と森の魔女 緑竜亭繁盛記」著:橘柑子/絵:堤利一郎(ファミ通文庫 1月刊)

緑竜亭の一人娘・リュン、こづかい程度の給料で家の手伝いをしている現状に不満を感じています。
ある夜、煌びやかな甲冑をまとった奇妙な客が訪れます。

新人さんです。
ライトノベルらしいファンタジーです。
ほのぼのとした雰囲気で、イラストもピッタリでした。
童話風味のテイストです。

リュン・グリーン、15歳の元気で世話好きな少女です。
寡黙な料理人の父親に代わって宿の切り盛りをしています。
おぼんとモップで酒場の秩序を守ります。
ブラックとアンバー、粗暴とキザの対照的な2人です。
迷惑だけど頼りになります。

王子様、なかなか楽しいダメダメっぷりです。
こういうのも一種のドジッ子でしょうか。

前半がスローペースだったのでちゃんと一冊で終わるのか微妙に不安でした。
中盤からは急転直下の展開で良かったです。
最後、王子たちの結末を直接見届けられなかったのは、少し心残りです。

まだまだ色んな客が緑竜亭を訪れそうです。
開拓民のみなさんも気になります。
ストーリー運びに多少のぎこちなさも感じましたが、続巻が出れば買います。

リンク集: 堤利一郎

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1月 19, 2005

大騒ぎの年の瀬「白い迷宮」

青年が少女を守って戦うホラーっぽい道具立てのアクション・サスペンスです。
「白い迷宮」著:田中芳樹/絵:ふくやまけいこ(講談社文庫 1月刊)

来夢たちと冬休みを過ごすことになった耕平。
北本氏の友人の別荘である雪原の古城を訪れます。

冬のお話です。
雪がたっぷり出てきます。
これまでよりややバイオレンスな印象です。
今回も来夢、いろいろと狙われています。

北アルプスを望む雪の原野に移築されたスコットランドの古城が舞台です。
ゴシック・ホラーと銘打たれたシリーズですが、もはやサイキック・アクションな感じです。

能戸耕平、見た目は普通の大学1年生です。
数々の異常事態をくぐり抜け、場慣れしてきた感じです。
積極的に先手を取ろうとしています。
立花来夢、しっかりした小学6年生の女の子です。
素直な子供らしい子供ですが、耕平より精神的に大人にも見えます。

お婆さんたちが、いい味だしてます。
なにか憎めない感じです。
やってることはエグイのですが。

四季に対応した全4巻の3巻目です。
ネタバレになると思うので、解説を読むのはシリーズ全巻を読んでからの方がいいかと思います。
つぎは「春の魔術」です。

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1月 15, 2005

アホなのに強敵「いぬかみっ! 5」

怪異を祓う犬神使いと、その犬神とのドタバタを描くラブコメ風のバカ小説です。
「いぬかみっ!5」著:有沢まみず/絵:若月神無(電撃文庫 1月刊)

啓太が、格好よかったです。
今回は、変態度は低めでした。

構成は、短編3つに中篇が1つです。
たゆねがメインの怪談大会と、なでしこが啓太を癒す話は、いつも通りの軽い短編です。
中篇は、珍しくシリアスな感じで面白かったです。
最後の短編では、なにげに重要な設定が明かされます。

口絵にキャラクターの紹介をかねたミニコミックが、各話の最後に4コマまんががついてます。

女の子の比率は高いのですが、ハーレム物といえるかは微妙なシリーズです。
これまでのエピソードやキャラクターを把握していることを前提に書かれていて説明はあっさりめです。

川平啓太、犬神使いの高校生です。
言動は軽薄ですが、意外とストイックにも見えます。
不幸を呼び寄せる体質なのか、妙なモノや変質者につきまとわれます。
ようこ、啓太のパートナーの犬神です。
情が深く独占欲が強い少女(?)です。
わがままで乱暴ですが、けなげです。

妙に最後きれいに終わっていて、一瞬、最終話?と思ってしまいました。
あとがきによると、シリーズはまだまだ続くみたいです。

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1月 12, 2005

離島の夏休み「ミナミノミナミノ」

どことなく妖しげな南海の離島で少年が過ごす中学最後の夏休みを描くシリーズの第1巻です。
「ミナミノミナミノ」著:秋山瑞人/絵:駒都えーじ(電撃文庫 1月刊)

高校受験を控えた夏休みを小さな南の島で過ごすためフェリーに乗りこんだ武田正時。
姉のような叔母の理香子から奇妙な首飾りをもらいます。

読み切りではありません続き物です。
引きで終わっています。
この巻だけ見れば、ラブコメです。
山場までは、まったりのんぴりと過ぎていきます。
微かにただよう因習や秘密の匂いがスパイスです。

主人公の武田正時、世慣れた感じの中学生3年生です。
悪くはないのですが、設定が上滑りしているところがちらほら感じられました。
酒盛りの場面のツカミのジョークとか、中学生が口にしても、退かれるか頭を叩かれる気がします。
それとも、本人が気づいていないだけで、生暖かく見守られていたのでょうか。

秦納舞部春留、孤独で頑なな中学生3年の少女です。
ギクシャクした敬語が微笑ましいです。
強気の陰にちらちらみえる怯えがキュートです。

田舎での夏休みといった雰囲気が楽しいです。
寂れた観光地の守人島と、独立独歩な印象の岬島の対比が面白いです。
温和で無遠慮な島の大人たちが好感触です。
左吏部真琴たち3人組、いかにも田舎の友達といった感じです。
バス屋が渋いです。

後書きによれば、次巻は激しいアクションとなるようです。
凄惨な感じになるかもしれません。
「イリヤの空、UFOの夏」に対する補完なのでしょうか。
結末はハッピーエンドであって欲しいですが微妙な気がします。

リンク集: 駒都えーじ

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1月 11, 2005

迷走している?「百鬼夜翔 霧が惑う暗夜」

人間社会にまぎれて暮らす妖怪たちを描くシリーズの最終章・中巻です。
「百鬼夜翔 霧が惑う暗夜」著:友野詳&グループSNE/絵:あるまじろう(角川スニーカー文庫 2004.12.28)

魔霧発生の中心とみられる富士山に集結したバロウズ側の妖怪たち。
洋大は迷いを抱えながらも山頂を目指します。

前巻もですが、重複が多くて話の焦点がぼけている気がします。
統一感がなく、行き当たりばったりに見えます。
アクションシーンはそれなりに楽しめましたが、理由が間抜けに見えて今一つです。
妖怪と人間のあり方という大きな視点から、洋大やひかりの個人の事情レベルに焦点が移っています。

主役級の妖怪が霧を広げる側へ協力する原因となる出来事がみんな似ているのは、投げやりな感じがします。
避難した人としてない人がいる理由も不明でご都合主義に感じます。
ひかりに対するバロウズ側の対応が友人による説得というのも違和感があります。
妖力で洗脳されているのではなく素であの行動なのでしょうか。

洋大の説得シーンは、良かったです。
でもそのために、律子も含めて暴れている者たちがよけいに薄っぺらに見えてしまい、だれた印象を受けました。

妖怪大決戦にならなかったのは良かったです。
でも、この話が最終話である意味が分かりません。
このまま進んで事件が解決しても、なにも終わりも始まりもしない気がします。
洋大の三角関係の清算くらいはできそうですが・・・。

重複部分などを削ってまとめれば、それなりに面白くなりそうなだけに残念です。

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