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12月 28, 2004

金色でパワーアップ「あるある!夢境学園 6」

耐える達也、見守る江利香ともう1人といった巻です。
「あるある!夢境学園6 某大国からの刺客(下)」著:新木伸/絵:かねこしんや(ファミ通文庫 12月刊)

海辺での合宿を楽しむ防衛部の面々。
沖合いに不気味な黒雲が現われます。

バカップルと猛特訓という話です。
なかなか燃えます。
合宿の続きですが新展開もあります。

おまけの短編が付いてます。
若き日の千鶴先生を描く外伝です。
女2人無頼旅、上海編といった感じでした。

主人公の一文字達也、屈辱の底を這いずります。
孤独な頑張りです。
ヒロインの江利香のやきもき振りが、切迫感を高めます。

暗殺者ヨシコ、なんか良いヤツです。
爺さん、絶倫で脂ぎってます。
狭間太郎、地味に男を上げています。
桃子のチンピラ振りが素晴らしいです。

あらためて見直すとカップルだらけです。
ありがちな設定を集めたコメディですが、ハーレム物にはならないようです。
アトランティス滅亡の真実も、あまりありがちではありませんでした。

リンク集: 新木伸かねこしんや

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12月 27, 2004

広い世界へ「新・はっぴぃセブン 9」

4度目のクリスマスを迎える七福娘たち、シリーズ節目の巻です。
「新・はっぴぃセブン vol.9 ハッピー・クリスマスをあなたに」著:川崎ヒロユキ/絵:COM(スーパーダッシュ文庫 12月刊)

新たにサヤンを加えテーマパークの業務に戻ったメンバーたち。
菊之介のもとに謎の電子メールが届きます。

いつも通りサクッと軽い感じです。
シリーズの転換点です。
ストーリーを追う展開で、恋愛がらみのドタバタはひかえめです。
衣装替えの多い華やかさは変わりません。

主人公の菊之介、ダメダメ君だった最初の頃からずいぶんと成長したものです。
頼り甲斐がでるのにしたがって、恋愛からは遠ざかっている感じがします。
その分、女の子たちが積極的になって距離感は保たれているわけですが。

SHK編になって華やかさは増しましたが、女の子たちのたくましさが減ってきている気がします。
以前は、もっと自立している感じが強かったと思うのです。

山羅寺、お父さんしています。
未登場だった兵藤衆の組頭も活躍します。

黒闇天との関係にも大きな変化が起こりました。
次からの新展開も楽しみです。

リンク集: COM

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12月 24, 2004

薔薇と剣技「西の善き魔女 2」

王宮へ上がるための教育を受ける高地育ちの少女の学園生活。
「西の善き魔女 II 秘密の花園」著:荻原規子(中公文庫 12月刊)

貴族としての教育を施されるフィリエル。
トーラス修道院付属女学校へと送り込まれます。

題名通り花々が散っているようなお話でした。
どことなく素朴さも感じるストーリーです。
サスペンス風味のスポ根といった風で面白かったです。
適度に、どろどろしています。

主人公のフィリエル、毅然として、へこたれない所が魅力的です。
ルーンとの微妙な関係は、進展しているようなしてないような感じです。

アデイル、ちゃっかりしています。
趣味が実益をともなっていたり、美味しいところを持っていったりします。
イグレイン、りりしいです。
マリエ、意外にも頼りになります。
ユーシス、人が良すぎていろんな人にいいように使われているような・・・。

トーラス、政略結婚をする女性のための花嫁学校といった所です。
あんな授業をしているとは、なかなか怖い女子校です。

王宮へとつなげるためか、少し駆け足な気もしました。
華やかなのは、いいものです。

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12月 23, 2004

主役は戦争「星界の戦旗 4」

三ヵ国連合に対し、さらなる攻勢にでたアーヴ星間帝国を描く巻です。
「星界の戦旗 IV 軋む時空」著:森岡浩之/絵:赤井孝美(ハヤカワ文庫JA 12月刊)

ラフィールは、襲撃艦フリーコヴ艦長として人民主権星系連合体の重要拠点攻略に参加しています。
一方、翔士となった弟のドゥヒール殿下は、別の戦線の戦列艦へと配属されます。

軍記物っぽいのも好きなので、面白かったです。
政治と戦闘シーンが中心です。
大加速はいいものです。
全体に人物の描写が薄い印象で、誰が主役かハッキリしません。
あえていうなら戦争でしょうか。

ラフィールとジント、戦闘に忙しくプライベートなシーンがありません。
恋愛面が、進んでいるのか進んでいないのかモヤモヤします。
2人の掛け合いがほとんどなくて、やや物足りません。
むしろ、弟のドゥヒールに焦点があたっていました。
ラフィール、あいかわらず格好良くて微妙にお茶目です。
ジント、伯爵としてまだまだ修行が必要なようです。

アトスリュア率いる蹂躙戦隊の面々がいい感じです。
ラマージュ陛下の出番が多めです。
今回は、スポール提督たちの登場はありませんでした。
コトポニー元帥、ヴォーニュと、ドゥヒールは年上の女性に縁があるようです。

引きで終わっています。
ストーリーは、安定している感じです。
すぐに続巻が出てくれるのなら文句はないのですが。

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12月 21, 2004

遠くにありて思うもの「星界の戦旗 3」

故郷との決着を迫られるジントを描く巻です。
「星界の戦旗 III 家族の食卓」著:森岡浩之/絵:赤井孝美(ハヤカワ文庫JA 2001年刊)

アーヴ星間帝国によって再占領されたハイド星系を、統治するための準備を進める、ジント。
休暇を取り、ラフィールをともなって故郷へと向かいます。

まったりしています。
ジントたちより周りで話が進んでいます。る感じです。
ちょっと中休みといった感じの巻です。

ジント、おろおろするばかりでパッとしません。
かなりナイーブになっています。
ラフィール、いろいろ思うところがあるようです。
二人の関係も進んでいるような感じもします。

バースロイルの面々が活躍します。
出世したり、立場が変わったり様々です。
懐かしい顔ぶれも登場します。、

結末には強引さを感じました。
慣例を重んじる帝国が支配システムを混乱させるような取り決めを許すのには、違和感があります。
いまだに住民が、反リン家というのも単純過ぎます。
ジントの思い込みに領民代表側がつけこんでいるだけかもしれませんが。
また、ティル・コリントが、あいかわらず甘ったれているのも嫌な感じでした。

ジントの領地問題に決着をつけて、今後に備えたといったところでしょうか。

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12月 20, 2004

泥臭い占領「星界の戦旗 2」

新たに星系を併呑していくアーヴ星間帝国を描くシリーズの2巻目です。
「星界の戦旗 II 守るべきもの」著:森岡浩之/絵:赤井孝美(ハヤカワ文庫JA 1998年刊)

ラフィールはまたも領主代行を命じられ、突撃艦バースロイルで惑星ロブナスIIへと向かうことに。
ジントの政治力が問われます。

ごたごたが拡大していく展開に、引き込まれます。
ラフィールの決断と女心が、せつないです。
前巻が宇宙でラフィールだったのに対し、この巻は地上でジントです。

ジント、利害調整にテンテコ舞いです。
苦労を背負い込む、なかなかハードな人生です。
ラフィール、戸惑い気味です。
事態が地上で進行するため見ているしかない場面も多いです。

サムソンが、渋いです。
ディアーホは、お留守番です。
スポール提督が、格好いいです。

地上世界の統治は“優雅からはほどとおい仕事”といった巻です。
抑圧されていた利害の対立が、占領によって噴出する。
イラクのアメリカ軍を思わせます。

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12月 19, 2004

華麗なる星間戦争「星界の戦旗1」

宇宙空間の制圧による人類の恒久平和を目指すアーヴ帝国の戦いを描く「星界の紋章」の続編です。
「星界の戦旗 I 絆のかたち」著:森岡浩之/絵:赤井孝美(ハヤカワ文庫JA 1996年刊)

3年間の修技生生活を終え突撃艦に配属された、ジント。
アーヴの反攻作戦が始まります。

全編、戦争です。
主力のぶつかる艦隊戦が燃えます。
パートナーとして馴染んだ2人の関係が、気持ちいいです。
恋愛面は進んでいるのかどうか微妙です。
猫は、いいものです。

ラフィール、艦長としての初陣に緊張する姿がういういしいです。
ジント、落ち着きが出て、いい感じに彼女を補佐してます。

エクリュア、無口な猫好きで、趣があります。
アーヴの将官たちが、大活躍です。
皇太子ドゥサーニュのとぼけた感じが和みます。
猫のディアーホも再登場です。

大規模な宇宙艦隊戦は、スペース・オペラの華といった感じです。
きちんと終わっているのも良かったです。

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12月 17, 2004

誇り高い星たちの眷属「星界の紋章」

戦火に呑み込まれた少年と少女の逃走劇を描くスペース・オペラです。
「星界の紋章(全3巻)」著:森岡浩之/絵:赤井孝美(ハヤカワ文庫JA 1996年刊)

身分にともなう軍役の義務のはたすため、帝都の軍の事務官養成学校へと向かうジント。
迎えを待つ宇宙港のロビーで、毅然とした雰囲気の少女と出会います。

主人公とヒロインの掛け合いが楽しいです。
ラブコメっぽいところもありますが、恋人というより親友といった感じです。
細かく構築された世界観が、興味深いです。
独特の設定による宇宙での艦隊戦が、燃えます。
不利な状況を工夫しながら切り抜けて行くのに、ドキドキします。

主人公のジントは、地上世界出身の基本的に普通の少年です。
政治家の息子だけあって、世渡り上手です。
頼りなさそうに見えて、意外と豪胆だったりします。

ヒロインのラフィール、宇宙に適応した種族・アーヴの少女です。
傲慢で子供っぽいけど、情が深いです。
ボケっぷりもなかなかです。

以下の3巻に分かれていますが、全体で1つの物語りです。
星界の紋章 I ― 帝国の王女 ―
星界の紋章 II ― ささやかな戦い ―
星界の紋章 III ― 異郷への帰還 ―
宇宙旅行、宇宙空間にあるアーヴ貴族の城館、地上の領民の暮らし、そして帝都。
〈アーヴによる人類帝国〉の習俗を、満遍なく見てまわれる構成です。

第1巻はプロローグといった感じで、世界観の説明に多くを占めています。
ティル・コリントの子供っぽさには、かなり違和感がありました。
3巻とも挿絵はありません。

元男爵、味のある老人です。
最初無個性に見えたセールナイの暴走や、マルカと愉快な仲間が楽しいです。
アーヴの将官たち、個性的でカッコイイです。
シブイ警部も登場します。

よく練り上げられた物語りです。
だんだんスピード感が増していくのもいい感じです。
かなり膨大な量の設定が、説明臭くならずに自然に紹介されています。
まったく異なった文化で育った2人のボケの応酬が楽しいです。
アーヴが猫好きなのもポイント高いです。

※続巻である「星界の戦旗 IV」が、本当に発売されそうなので読み返してみました。

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12月 15, 2004

ココログのアップロードの変更と独自のリンクページ

この前の日曜日、記事を書いているとき右肩のアイコンが増えているのに気づきました。
増えたのは“画像の挿入”と“ファイルの挿入”かな?
リンクを挿入するとき以外使ったことがないでちょっと自信がありません。

この間のリニューアルで変わったのかな。
よくみると上のメニュー欄にあったアップロードが消えていてます。
あせりました。
独自にhtmlファイルで作っているリンクページを更新するつもりだったのです。
ヘルプを見てみましたが、古いままで更新されていません。
画像のアップロードについては変更の告知がありますが、普通のファイルについてとくにないようです。

画面を睨んでいて、ふと、思いつきました。
もしかして“ファイルの挿入”ってアップロードのこと?
テキストファイルの貼り付けとかじゃなくて?

とりあえずクリックしてみます。
アップロードのボタンがありますが、とくに機能の説明はありません。
保存先フォルダの指定もないし違うのかな。
他に思いつくこともないので、ダメもとでファイルを選んでアップロード・・・。
「本文」欄に、リンクが挿入されました。

どうやら、アップロードはされたものの、“files”というフォルダに入れられたみたいです。
これまで、独自に作成したフォルダに入れていたので困惑しました。
このファイルには、各記事からリンクを張っているので簡単にはURLを変えられないのです。

なんとかならないかと、あちこちのブログをまわってみました。
フォルダは固定されて変更できないようです。

しかたがないので過去の記事のリンクを張り替えることにしました。
(記事の検索があるのは、少し救いです)
すぐに全ては無理なので、それまでは「作家&イラストレーターサイト集」が二つ存在してしまいます。
利用されている方には、ご迷惑をかけます。
とりあえず色違いにしてあります(茶色いのが新しいほうです)。

※少し追記
12月15日付けの「お知らせココログ:画像のアップロード方法について(追記)」の下のほうに、画像以外のファイルをアップロードについても書かれていました。
告知は前もって、分かりやすくして欲しいです。
また、フォルダを限定するのなら、htmlファイルなどの削除も可能にして欲しいです。

この記事は「ココログスタッフルーム:ココログ快適生活をお届けします」にトラックバックしました。

※さらに追記 12月 17, 2004
「観測気球」さんからいただいたトラックバックの記事が、いろいろと参考になります。

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12月 14, 2004

ゆらぎだす日常「マージナル・ブルー」

明るいけれど謎多き少女と純情な少年とのホラー風味のラブストーリーです。
「マージナル・ブルー 空曜日の神様」著:水落晴美/絵:狐印(電撃文庫 12月刊)

バイトをしている深夜のコンビニで、二人の美少女に出会った坂上真人。
不思議と人懐っこい片方の少女に奇妙な既視感をおぼえます。

二人のういういしい恋が、楽しかったです。
やわらかな空気と、和風オカルトな味付けの物語りです。
ラストでは、本筋とは関係ないところにモヤモヤしたものが残りました。
地味で、ゆっくりとした展開ですが、ホラーだとこんな感じのほうが好みです。

主人公の坂上真人は、ちょっと陰はあっても基本的に普通の少年です。
一途なところに好感が持てます。
ヒロインの風見葵、けなげで前向きです。
なにやら訳有りなところも魅力的です。

ヒロインの相棒・小賀玉茜、いじらしいです。
薗部雪臣、変わり者で地味にいいヤツです。

クライマックスシーンが、お子様向けのアクション物のような印象でした。
種明かしのやりすぎもあって、幻想的な気配が壊れています。
主人公が、単なる足手纏いに見えてしまっています。
ヒロインの心の救済を表現する心理描写が欲しかったです。
今回の事件の原因をつくった“ほころび”を見逃しているのも不満です。
それまで地道に積み重ねてきたものが素晴らしいだけに、違和感がありました。

全体としてみれば、ほのぼの感もある雰囲気のいいホラーサスペンスでした。

リンク集: 狐印

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12月 12, 2004

てのり女王「アガルタ・フィエスタ!」

3000年を生きる古代の女王と少年のボーイ・ミーツ・ガールです。
「アガルタ・フィエスタ! てのひらに女王を!」著:三田誠/絵:双龍(電撃文庫 12月刊)

主人公の少年・まどかは、幼馴染といった博物館の人形展で一体の人形に魅せられます。
彼らは、トレジャーハンターたちの秘宝をめぐる争奪戦に巻き込まれてしまいます。

ストーリーはオーソドックスで、面白かったです。
最初、ギャグが上滑りしていて、買って失敗したかと不安になりました。
中盤以降、シリアスさが増すにつれて盛り上がり、楽しめました。

主人公の八王子まどかは、ご飯を作る骨董品好きな高校1年生の男子です。
ことさら特別な力を発揮はしませんが、恥ずかしくても頑張る勇気があります。
年若い(?)女王・イセリアも、傲岸で健気ないいヒロインです。

おっとりとした母親の雛乃さんが、いい味だしてます。
ばったもんインディー・ジョーンズなクロードも、格好良かったです。

幼馴染の日渡詩奈と雛乃さんについては、やや描写が不足気味で心情が分かりにくいところがありました。
読んでいる間は、主人公と女王の関係を追いかける感じなのでそんなに気にはなりませんでしたが・・・。
後半の雛乃さんがPDAを見るシーン、あらかじめバッグに細工がしてあったということでしょうが、何の説明もなくて戸惑いました。
これって、彼女が息子を心配していたことを示す重要な設定だったのではないのでしょうか。

主人公が安易な覚醒キャラではなかった点も良かったです。
秘宝もへっぽこで、戦闘シーンを面白くしていました。
きれいに終わっているので、続けてグダグダになるよりはここで終わって欲しい感じです。

リンク集: 双龍

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12月 09, 2004

【本好きPeople/本好き大賞推薦作品】

年末らしい気分を味わいたくて「本好きPeople」のTB企画「本屋大賞ならぬ、本好き大賞!(ただし賞品はナシよ)」に参加させていただきます。

まずは、推薦したい3冊を。

「ぺとぺとさん」木村航
扇情的ではなく、かといって説教臭くもならず、性的なものへ目覚める時期をエンターティメントとして描いていて美しいです。

ロボット妹 改め 人類皆兄弟! 目覚めよ愛の妹力」佐藤ケイ
中身がアレだと解っているのに、可愛らしく感じさせるストーリーなんてそうないと思います。
女性にはただのバカ小説だと思うのですが、男の自分にとっては、おぞましいのか、素晴らしいのか、哀しいのかわからない印象なのです。

推定少女」桜庭一樹
ぐるぐる感とか、ふわふわとした地に足のついていなさとか、思春期を内側から見たときのダークさが味わえます。

多少の欠点はあっても、一点突破的な魅力を感じたものを挙げてみました。

最後までと言うか、今でも迷っている3冊です。

「吉永さん家のガーゴイル」田口仙年堂
家族的なほのぼの感に溢れています。
ぴよぴよキングダム」木村航
最近少ない、ストレートなSF系の青春物です。
にゃんこ亭のレシピ」椹野道流
少し大人の感じの、ゆったりとした「擬似家族」物です。

完成度では、選んだものより優れていますし、面白さでも負けていません。
向こうを選んだのは、なんとなくです・・・。

推薦したかったけど、わずかに期間外だったものです。
コスプレ温泉」吉岡平
数ヶ月後に、ニセ温泉が社会問題となったりしてタイムリーでした。
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」桜庭一樹
同じ作者の「推定少女」よりさらに強い閉塞感と、生々しさがあります。
世界は紙でできている」ココロ直
派手さはないのですが、生活感のあるコンパクトにまとまった異世界漂泊物です。

シリーズ物の途中の巻をどうするか、迷いました。
「キーリ(壁井ユカコ)」など楽しみにしているシリーズも多いのです。
「Dクラッカーズ(あざの耕平)」と「楽園の魔女たち(樹川さとみ)」という長いシリーズがいい感じに完結したのでこれを選ぼうかとも思いました。
でも、前の巻を読んでいることが前提だと「今年の本」といえるのか微妙な気がします。
また、時々見かけるライトノベルの投票ランキングでは、シリーズ物ほど強く感じるのも気になります。
単巻として読める場合や最初の巻が期間内でしかも面白ければいいのですが、巻を重ねることで面白くなったシリーズや、特定の巻が跳び抜けて面白い場合もあります。
そういったものもやっぱり選びたいので悩ましいです。

本の溢れている現状では、気楽な個人的セレクトにも意味があると思います。
でも、選ぶというのは思った以上に難しかったです。
本の面白さって、それぞれで質的に違うから、順位をつけられないと思うのです。
好みでといっても、けっこう幅があり、日によっても読みたい本は変わってきます。
しかし、最大の問題は、わたしの記憶力がポンコツだということです。
最初、思いつくままリストアップしてみました。
その内の何冊もが、何年も前の発刊でした。
ガックリきました。
培養した神経幹細胞を、注射でチューっと注入して欲しいです。

読んだ本を思い返しながら、いろいろと選ぶのは楽しかったです。
見落としている本がありそうなのは微妙に心地が悪いです。
今後は、ブログが読書記録となって衰えゆく記憶を補完してくれそうです。

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12月 07, 2004

勝つまでやる「青空のように君は笑う」

周りを巻き込みながら暴走する女子高生のサクセスストーリー風ドタバタコメディです。
「青空のように君は笑う ~僕らが起こしたちょっとした奇跡~」著:小池雪/絵:森平夏生(コバルト文庫 12月刊)

留学に反対する過保護な親にやる気を見せるため、留学資金を稼ごうとする主人公。
バイト先の景気の悪そうな電器修理屋は、変人の巣窟で・・・。

アクセルベタ踏みで、壁にぶつけて曲がるような主人公の行動が楽しかったです。
空想度は強めで、企業物としてみるとツッコミどころが満載です。
一種の逆ハーレム物ですが、主人公が男前なので恋愛要素は浅めです。
テンション高いのか冷めているのか分からない不思議なノリでした。
青春バカストーリーですが、暑苦しさもほどほどです。

主人公の岡町環、お嬢様学校に通う高校3年生です。
お嬢様らしいのは最初だけ、すぐに壊れて暴走しまくります。
だんだん詐欺師っぽい変なカリスマを発揮していくのが素敵です。

男比率が高いです。
エキストラを除く主人公以外の女性は、1人だけでそれも出番はちょこちょこです。
男キャラは、腕白ジゴロ、寡黙な熱血少年、太ったオタクっぽい人、偽ヤンキー風、小さいオッサン、敵役の美形のお坊ちゃまとバラエティーに富んでいます。

ビジネス的リアリティが弱かったのが惜しいです。
理屈を気にしすぎて勢いがなくなっては本末転倒ですが・・・。
最終的に主人公がいい感じになった相手にも、未来図と矛盾しているようで少し気になりました。

転げるような状況の悪化と、仲間の結束が高まる展開が燃えます。
爽やかなエンディングはいいものです。

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12月 05, 2004

増えつづける本とココログと私の楽しみ

(これは、ココログナビ1周年記念プレゼント目当てに書いた記事です)

ここ数年、「本の購入減量」という俺的キャンペーンを実施しています。
特に、新規シリーズには手を出すのを控えてきました。
読むのに時間を取られるというのもあるのですが、最も切実なのは置き場所です。
結構な量の本を抱え込んでいて、いつ床が抜けるか心配です。

ココログに本の感想を書くようになって、その戒めが無効化してしまいました。
ダイエット失敗後のリバウンドのごとく、本の山は増えつづけています。
本を捨てられないたちなのです。
置き場に困って処分するときなど、謎の罪悪感にとらわれます。

アクセス解析が悪いのです。
検索からの訪問数が多いので、新規記事とアクセス数とは直接関係ないとは分かっています。
それでも、がくんと減った日があると気になるのです。
新規記事をアップして、ブックマークやPingサーバーから人が来てくれると嬉しいのです。

このようにアクセス解析とは、悪魔の発明なのです。
人々をブログという蟻地獄へと引きずり込む妖怪なのです。

ウソです。
単に本を読みたいだけです。
アクセス解析だって、見なければよいの見てしまうのは、己の弱さです。
ホラー小説なら最初のほうで消えてしまうキャラのごときダメさです。

記事を書くために面白そうなシリーズの発掘は大事でしょうとか。
やっぱり新人は押さえておくべきでしょうとか。
自分に言い訳している自分が居ます。

際限なく次々と買いこみそうな自分が怖いです。
酒飲みが、祝い事にかこつけて飲みまくるがごとくです。
禁酒の会のように、励ましあって禁読書をするしかないのかとも思います。
が、楽しいからいいのですと、自堕落に肯定してみます。

ココログを始めたのは、6月にADSLに加入したのがきっかけです。
せっかくの標準サービスを使わないのはもったいないという貧乏性からです。
最初は、愚痴みたいなものを垂れ流して適当なところで閉鎖するつもりでした。
続けているのは、本の感想を書いてみたところ、意外と楽しかったからです。
ちょうどその頃始まった、「本好きPeople」さんに参加したことにも後押しされました。

感想文なんて遥かな過去の学生時代以来です。
小説を読むというのは個人的経験で、同じ本を読んでも受け取り方は人それぞれ。
実用書以外の評価や感想は他人にとって意味がないと、思っていたからです。
実際、以前は小説の評論や感想を読んでも別に感じるところはありませんでした。

でも、最近は違うのです。
他の読書系のブログやサイトを巡るのが、楽しみになっています。
たとえ、自分の好きな本の酷評でも妙に面白いのです。
本の評価としてではなく、ある種のエッセイを読んでいる感じです。
自分の感想を一度明確にしているからこそ、他人の感じ方を楽しめるのでしょう。
読書に別の楽しみがプラスされました。

(というわけで、加藤ローサさんの「サイン入りクリスマスカード」を希望します)

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12月 03, 2004

引越しにご注意「闇に歌えば」

不幸に浸り縮こまっていた青年が、自分の枠を越えようと足掻くホラーです。
「闇に歌えば」著:瀬川貴次/絵:星野和夏子(コバルト文庫 12月刊)

霊的なものが見える誠志郎、人付き合いが苦手でガールフレンドとの関係も微妙です。
引越しの手伝いに来ていた彼女が、ベランダで奇妙な玉を拾います。

いかにもライトノベルのホラーといった感じでした。
なんか熱い友情の話です。
微妙にぎごちない文章が、どんより不安な雰囲気に不思議とぴったりでした。

「精霊狩り」シリーズのプレストーリーであるシリーズです。
スーパーファンタジー文庫から1991年に刊行されたものが復刊されました。
2話構成です。
一人称ではありませんが、ほぼ主人公・誠志郎の視点で語られます。

楠木誠志郎、後ろ向きで、キャンキャン吠える子犬のような印象です。
前に踏み出すことで自分を変えたがっている気配もあります。

安芸和宏、いいヤツです。
ヤミブン、仕事がいいかげんで無責任な感じがして、この巻だけだと印象が悪いです。
久保美佳子、飄々としていて可愛いです。
オサキ、出番は少ないですが、ドジっぽいところが愛らしいです。

第1話「闇に歌えば」
どろりとしていて不幸な話ですが、後味は悪くはありません。
痛覚的に痛い描写があります。
お祖母さんが素敵です。

第2話「黄泉の羽ばたき」
久保美佳子が登場する話です。
ハッピーエンドといっていいのか微妙です。
オサキの可愛さがアップしていますが、迷惑さも発揮します。
誠志郎が、ガッツを見せます。

「闇がざわめく」から入ったので、読みそこなっていたこの本が読めて嬉しかったです。
ラブコメ的な「精霊狩り」シリーズに比べるとシリアスな雰囲気でした。
この巻で出てくるキャラは、誠四郎、溝口耕作、有田克也、万来課長の4人です。
続刊は、売上次第とのことなので、売れて欲しいです。

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12月 02, 2004

幼くても皇女「アダルシャンの花嫁」

戦勝の結果、思いがけず大国のお姫様を嫁に迎える小国の悲喜劇です。
「アダルシャンの花嫁」著:雨川恵/絵:桃季さえ(角川ビーンズ文庫 12月刊)

帝国との国境紛争で、大勝利を収めた北方騎馬民族の新興国アダルシャン。
和平交渉の結果、若き将軍である王弟に帝国から皇女が輿入れしてくることに。

新人さんということで買ってみました。
多少強引なところもありますが、手堅く素直にまとまっていて楽しめました。
きわだった特色のようなものは感じず、あっさり味でした。

徐々に仲良くなっていく皇女と主人公が、ホノボノしています。
悲劇が含まれているので、お気楽とばかりは言えませんが、本質的な悪人は出てきません。

擬似中世物の少女小説といった感じです。
舞台は、西洋ベースの無国籍な印象です。
ストーリーは宮廷陰謀劇ですが、舞台が武骨な辺境の小国なので小ぢんまりしています。

主人公のアレクシード、武勇に優れた若き英雄ですが、周りに流され気味です。
戦場では輝いていても政治がらみだと今一つな、伝説上の源義経のようです。
10歳の皇女ユスティニア、やんちゃな小動物的行動が可愛いです。
お子様でも王族の自覚があるのも、いい感じです。
深窓の姫のせいか、年齢以上に幼いです。
王様、捻くれて腹黒い愛情が味わい深いです。

どんな世界なのかイメージが、ぼんやりしていました。
異世界物の醍醐味である奇異な習俗といったものがなかったからかもしれません。
輿入れの行列や二つの文化のギャップなど面白そうなのに、もったいない感じです。

続編があるようなら、生活感のある話も読んでみたいです。
お茶のシーンもあっさりしていたので、お菓子の仔細な描写など見てみたいです。

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