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10月 26, 2004

子供時代との別れ「西の善き魔女1」

信じてきた暮らしの全てを突き崩されても、前を向いて進んでいこうとする少女の物語りです。
「西の善き魔女I セラフィールドの少女」著:荻原規子(中公文庫 10月刊)

北国の早春、質素であっても平穏に荒れ野で暮らしている十五歳の村娘・フィリエル。
おめかしをして、始めて領主の館の舞踏会へと出かけます。
パーティを満喫していた彼女は、思いがけないトラブルに見舞われます。
素朴で穏やかだと信じていた周囲の世界。
小さな亀裂は次第に広がり、残酷で容赦のない隠されていた姿を露にします。

ミステリータッチの中盤の展開が素晴らしかったです。
乙女チックな導入部にもかかわらずシリアスな世界観です。

C★NOVELS版と違い、イラストはありません。
大人向けにはプラスかもしれませんが、少し寂しいです。

キャラの表現が、薄いというかストレートです。
腹芸のプロであるはずの貴族たちでさえ、考えをそのまま言葉にしています。
そのぶん、分かりやすくはあります。
ストーリー重視といった面もあるのかもしれません。
ライトノベルでは普通なので気にはなりませんが、中公文庫の読者層にはどうなんでしょう。

お人好しで、朴念仁の王子さま。
ペシミスティックなのに純情な少年。
可憐に見えてエキセントリックなお姫さま。
キャラクター自体は、そろっているので楽しめました。

後半、主人公がやや受け身です。
今はまだ、何の力もない小娘なので当然かもしれませんが、もどかしいです。
旅立ちの章といった感じなので、ここから成長していくということでしょう。

単純だったフィリエルの世界は、混沌とし、大量の謎が残されます。
全8巻(本編5,外伝3)で、2ヶ月ごとに刊行されるようです。

リンク集: 荻原規子

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