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9月 21, 2004

十五歳の逃亡者「推定少女」

中学生・女子が主役らしい、都市伝説と和風ホラーな味付けのサスペンスです。
「推定少女」著:桜庭一樹/絵:高野音彦(ファミ通文庫 9月刊)

“白い高級外車のボンネットによじ上った白雪が、長くて細い足を組んで、夜空を見上げた。ぼくもよじ上った。”

少し哀しく切ない味わいです。

混沌とした現実と妄想の曖昧な境界の物語りです。
一人称が“ぼく”の中学3年生の少女の視線で語られます。
ストーリー中心ではなく、小さな出来事を積み重ねていくことで、キャラクターを描くお話です。

少し重ための話ですが、誠実な印象です。

キャラクターは魅力的です。
主役の少女二人組みと千晴だけでなく、電脳戦士もいい味だしてます。
ちょい役の格安量販店のオヤジとか、ガンショップの人々とかも楽しいです。

昔に置いてきた自分に出会った感じです。
漠然とした無力感と、正体のわからない切迫感・・・そんな気持ちを思い出しました。
ノスタルジックではあっても懐かしくはないかな。

そういった時期の真っ只中の人にとっては、この本はどうなんでしょう。
わざわざ小説でまで読みたくない。それとも、自分だけではないと安心できるのでしょうか。

前半のスピード感のある展開に、引き込まれました。
もっとハッピーなエンディングが好みです。
これはこれで、この物語らしいエピローグでした。

カナ同様、そういった自分がいたことは、忘れたくはないです。

リンク集: 桜庭一樹高野音彦

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