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7月 06, 2004

「楽園の魔女たち」完結

「楽園の魔女たち 楽園の食卓(後編)」著:樹川さとみ/絵:むっちりむうにい(コバルト文庫 04/07)
長らく楽しませてもらったシリーズもこれで完結です。
前半はハードで暗めの展開が続きますが、後半はいつもの軽快なノリが戻ってくるので安心です。
引きずってきた3人の問題だけでなくシリーズ中に取り残されていたこまごまとした問題にも決着がつけられています。
ハッピーエンドって、素晴らしい。

シリーズ全体に対する雑感なども書いてみます。
「寄宿舎物」「足を洗ったネズミ小僧」「海洋冒険物」「スパイ大作戦」など、いわゆる剣と魔法の世界観からは遠く離れたジャンルの設定を取り込んだと思われる話が多くあって、飽きさせない展開と独特の雰囲気をつくっていた気がします。
作者さんは、いろんなパターンに挑戦されていたんでしょうか。
それとも、「魔法は廃れ過去の物となりつつあり、火薬を使う銃器が台頭してきている」という設定のせいでそう感じただけかな。

シリーズ当初、厄介な問題を抱え居場所を失っていた4人ですが、終わってみればあるべき場所に落ち着いていて気持ちの良い終わり方です。
とくに、マリアの問題は、シリーズが終わってもあいまいなままだろうと思っていたので、数巻前にこの問題に決着がつけられたときには作者の勇気と登場人物に対する愛を感じました。
どの話でも、登場人物を丁寧に扱ってあって信頼の出来る作家さんの一人です。

贅沢を言えば、リーザレインがメインの話も読んでみたかった気がします。
外伝とかないのかな?
あと、ちょっと気になったのは、サラのお兄ちゃん達は、あの結末に納得しているのかという点です。

最後に、せんえつながら個人的ベスト5なんぞを。
「七日間だけの恋人」
 地味だと思っていたファリスの魅力に気付かされました。
「この夜が明けるまで」
 メリーポピンズ的スリラー。
「課外授業のその後で」
 寄宿舎・男子校・女教師なお話。
「大泥棒になる方法」
 旅先で出会った父娘との人情ばなし。支部長さんはひたすら不幸です。
「月と太陽のパラソル」
 楽しい海賊団。いろんな意味でマリア最強伝説。

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